「首を動かすとクラクラする人」は“足首”をみる

〜前庭機能と支持基底面の安定性/足首ストレッチで重心を安定〜

「上を向くと、ふわっとする」
「振り向いた瞬間、クラッとバランスを崩しそうになる」
「首を回すと、なんだか地面が揺れるような感覚がある」

そんな“首を動かすとクラクラする”症状に悩んでいませんか?

多くの方は、こうした症状の原因を「首の筋肉」や「自律神経の乱れ」に求めます。

もちろんそれらも関係しますが、実は意外な原因のひとつに“足首の硬さ”があることをご存じでしょうか。

足首は、単なる“歩くための関節”ではありません。
人間が立っているときの重心の安定性を担う、とても重要なパーツです。
この足首が硬く動きが制限されると、立位や動作時のバランス感覚が乱れ、首を動かした際にクラクラしやすくなるのです。

今回は、「足首と首のめまい感」の意外なつながりを、前庭機能(平衡感覚)や支持基底面(体を支える面)の観点から詳しく解説し、改善につながるセルフケアをご紹介します。


■首の動きとバランス感覚の関係

人間がまっすぐ立ち、転ばずに動けるのは、三つの感覚システムが連携しているからです。

  1. 視覚 … 目から得る情報で体の位置を把握
  2. 前庭感覚 … 内耳にある前庭器官が、頭の傾きや回転、加速度を感知
  3. 固有受容感覚 … 筋肉や関節からの情報で、体の位置や動きを把握

首を動かすと、前庭器官は「頭が動いた」と感知します。

同時に足裏や関節の情報から「体はどう支えられているか」を確認し、三つの情報を統合してバランスを取ります。

ところが、足首の動きが悪いと“支持基底面”の調整が不十分になり、首を動かしたときのバランス補正が遅れるのです。

その結果、ふらつきやクラクラ感が出やすくなります。


■足首が硬いと何が起きるのか?

足首の関節(距腿関節)は、つま先を上下に動かす背屈・底屈のほか、内外へのひねりも担っています。

(よくある、捻挫する方向です)

歩行や立位でわずかに傾く体を、瞬時に補正するためには足首の自由な動きが欠かせません。

しかし足首が硬いと、次のようなことが起きます。

  • 足裏全体で床を感じにくくなる
  • 重心の微調整ができず、上半身が過剰に動いてバランスを取る
  • 視覚・前庭感覚と固有受容感覚の情報がずれ、ふらつきが出やすい

特に、長年の立ち仕事や運動不足、加齢による筋力低下がある人は、足首の可動域が狭くなり、固有受容感覚の精度が落ちる傾向があります。


■足首と首の“めまい感”をつなぐメカニズム

ここで、足首の硬さが首を動かしたときのクラクラ感につながる流れを整理します。

  1. 足首が硬い → 重心の前後左右の微調整ができない
  2. 重心が安定しない → 上半身(特に首・肩)でバランスを補おうとする
  3. 首の負担が増える → 前庭器官からの情報が増える
  4. 足裏からの安定情報が不足 → 情報の統合が遅れ、ふらつきが生じる

つまり、足首は首や頭の動きと“間接的につながっている”と言えます。


■足首の硬さを放置すると…

足首の柔軟性が低下すると、ふらつき以外にもこんな影響が出ます。

  • 膝や股関節への負担増
  • 歩幅が狭くなる
  • 転倒リスクが上がる
  • 首・肩の慢性緊張(常にバランスを取るための力み)

特に高齢女性では、足首の可動域低下は転倒による骨折リスクと直結します。
「最近ふらつきやすい」と感じる方は、まず足首の状態を確認することが大切です。


■自宅でできる足首ケア

①かかと落とし

 ・立った状態でつま先立ちをします。

 ・力をスッと抜いた感じでかかととしっかり地面に落とす。

 ・1日5回を2セット(朝・昼など)

②正座

 ・1日3分2セット(朝・昼など)※普段からできる人はプラスしてやる必要はありません・

 ・正座ができない人はお尻にクッションや踏み台などを入れて膝と足首の負担を減らしてみてください

③正座からの片膝を立てる

 ・立てた膝にの方に体重を乗せていきます

 ・アキレス腱やふくらはぎの奥の方にストレッチがかかっていればOK!

 ・1日20秒を3セット(朝・昼・夜)

1日で3つ全部をこなさなければいけないということではありません。

逆にどれか1つだけやっててもダメです。

昨日は①やったから今日は②、明日は③、といった感じで進めてあげてください。


■首をケアする前に、まず“土台”を整える

首の動きによるクラクラ感やふらつきは、首そのものではなく“足首”という土台の問題から生じていることがあります。

頭部は最上部にあるため、土台が安定していなければバランス情報が常に揺らぎます。
この状態で首だけをマッサージしたりストレッチしても、根本的な改善にはつながりません。

もしあなたが「首の動きでふらつく」状態が続いているなら、まずは足首を動かす習慣を取り入れてみてください。
その小さな変化が、首の軽さと日常の安心感を取り戻すきっかけになります。



私の想い ~

たかなか さき

LaLa鍼灸サロンの髙中沙樹です。

皆様の健康に寄り添い、これからの生活をより明るくするためのサポートをしております。

”このままではいけない”そう感じて行動を起こした女性が集まるサロンです。首肩こり専門と謳っていますが、多くの場合、それはきっかけにすぎません。

・なぜ首肩がつらくなるのか?

・なぜたかが首肩こりにそこまで聞かれるのか?

・なぜたかが首肩こりを改善させる必要があるのか?

それは、首肩こりは体からの静かなSOSだからです。

自分を後回しにしてがんばり続けた日々、そのすべてが首や肩に現れているだけ。
だから私は、「本当の原因」と向き合うことを大切にしています。

つらさをごまかすのではなく、“自分を大切にする”という視点から体を見直すことが、生活を変える第一歩です。

もし、あなたも「そろそろ自分の体とちゃんと向き合いたい」
そう思ったなら、私はあなたの力になれます。

LaLa鍼灸サロンで、あなたの人生がもう一度、軽やかに動き出しますように。

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