「そのこり、筋膜の影響かも?」

~首肩こりを根本から読み解くための筋膜解説~

【目次】

  1. 「筋膜(きんまく)」って何?
  2. なぜ筋膜が首や肩のこりに関係するの?
  3. 筋膜がこると、体にどんな変化が出るのか
  4. 筋膜のねじれと“つながり”で起こる痛み
  5. なぜマッサージやストレッチだけでは改善しないのか
  6. 鍼灸で筋膜にアプローチすると何が変わる?
  7. まとめ:筋膜から「本当の原因」を探すということ

■1.「筋膜(きんまく)」って何?

まずは、「筋膜ってなんですか?」という基本からーー

筋膜とは、筋肉を包んでいるうすい膜のことです。
鶏肉の皮をめくったときに出てくる、あの半透明の膜のようなものです。

でも、筋膜はただ“包んでいる”だけではありません。
実はこの筋膜、全身を頭から足先までひとつながりにしているネットのような存在になります。

最近では「筋膜リリース」などもよく聞くようになり、スポーツ界やリハビリ、整体・美容の分野でも注目されています。


■2.なぜ筋膜が首や肩のこりに関係するの?

筋膜は、全身にくまなく張り巡らされています。
そして、筋肉・骨・内臓・神経などを包みながら、体の形や動きを調整しています。

本来、筋膜は柔らかくて滑らか。
水分をたっぷり含みながら、筋肉や関節がスムーズに動くようにサポートしています。

しかし、長時間の同じ姿勢やストレス、ケガ、冷え、運動不足などによって、
この筋膜がねじれる・固まる・癒着すると、筋肉が引っ張られたり動きにくくなったりします。

その結果、「筋肉が張っている」ではなく、「筋膜がこっている」状態が起こり、慢性的な首肩こりに繋がっていくのです。


■3.筋膜がこると、体にどんな変化が出るのか

筋膜のこり=“見えない緊張”は、こんな症状ーー

  • 首や肩がカチカチで回らない
  • マッサージしてもすぐ戻る
  • 片側だけに痛みが出る(左右差)
  • 朝起きた時からすでに重だるい
  • デスクワーク中、呼吸が浅くなる

特に首肩まわりの筋膜は、頭・背中・胸・腕・お腹と連動しているため、
「首だけ」が原因のことは少ないのです。

体全体を一枚の“膜”として見たとき、どこかの引っ張りや歪みが、首や肩の緊張として現れるケースがとても多いです。


■4.筋膜のねじれと“つながり”で起こる痛み

筋膜は「ひとつながり」なので、どこか1か所のねじれが、まったく別の場所の痛みとして現れることもーー

たとえばこんなケース

  • 足首の硬さ → 骨盤が傾く → 肩の高さがズレる → 首のこり
  • 背中の筋膜のねじれ → 腕が前に巻く(巻き肩) → 首の負担
  • お腹のこわばり → 背中が緊張 → 呼吸が浅くなり、肩に力が入る

筋膜は、単なる“部位”の問題ではなく、全身の構造とバランスに深く関係しているのです。


■5.なぜマッサージやストレッチだけでは改善しないのか

「マッサージに行ってもすぐ戻ってしまう…」
そんなお悩み、よく聞きます。

それは、筋肉だけを一時的にゆるめても、筋膜のねじれが残っているから

筋膜は弾力性があり、もともとすぐには変わりにくい組織です。
しかも、浅い部分と深い部分で何層にも重なっていて、普通のもみほぐしでは届かない深層に問題がある場合も多いです。

さらに、ストレッチで一方向に引っ張るだけでは、立体的に絡まった筋膜のねじれを解くことはできません。

つまり、表面的なケアだけでは、“根本改善”にはならないのです。


■6.鍼灸で筋膜にアプローチすると何が変わる?

鍼灸は、筋膜に対して点と点で立体的にアプローチできる数少ない施術法です。

筋肉だけでなく、筋膜の層に対して、深さ・角度を調整して鍼を刺すことで、
・局所の血流が改善
・神経の興奮が鎮まる
・筋膜のこわばりが解けていく
といった変化を起こします。

さらに、ツボ(経穴)の多くは、筋膜の交差点に位置しているとされ、
東洋医学と筋膜の考え方は、意外なほど重なっているのです。

また、鍼灸は「部分」だけでなく、体全体の“つながり”を見ながら施術できるという特徴があります。


■7.まとめ:筋膜から「本当の原因」を探すということ

慢性的な首肩こりは、ただの“使いすぎ”や“姿勢の悪さ”だけではなく、
筋膜のねじれ・癒着・つながりの崩れが隠れていることがとても多いです。

「どこに行っても良くならなかった」
「早くつらさを改善させたい」
そんな方にこそ、筋膜の視点からのケアをおすすめします。

当サロンでは、丁寧な問診と触診で、
✔ どこに筋膜の引っ張りがあるのか
✔ なぜ首に痛みが現れているのか
✔ どうすれば全身のバランスが取れるのか

✔ どこをケアすればいいのか
を一緒に読み解き、根本改善を目指します。

体は1枚の筋膜で包まれた、ひとつながりの存在。
だからこそ「状態を知る」「原因を探る」「全体を整える」ことが大切です。

ぜひ一度、あなたの“見えないこり”を整えてみませんか?

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