陰陽五行論とは?
東洋医学の土台を支える、命と自然のしくみ

【目次】
- 陰陽五行論とはなにか
- 陰陽論について
2-1. 陰と陽の基本
2-2. 陰陽の関係性と変化
2-3. 陰陽論が示す身体と自然のバランス - 五行論について
3-1. 五行とは「木・火・土・金・水」
3-2. 五行の相生(そうせい)と相剋(そうこく)
3-3. 五行と五臓六腑の関係 - 陰陽と五行の融合「陰陽五行論」
- 陰陽五行論が現代人に伝えてくれること
- まとめ:あなたの体も自然の一部
■1.陰陽五行論とはなにか
陰陽五行論(いんようごぎょうろん)とは、
東洋医学・漢方・鍼灸・風水・気功など、多くの伝統文化の根幹をなす思想です。
自然界や人間の体、心の働き、感情までも、「陰と陽」の二元的なバランスと、「五行(木・火・土・金・水)」の流れと関係性でとらえます。
この理論の目的はただ一つ。
「自然と調和した健康な生き方」を見つけることです。
■2.陰陽論について
2-1. 陰と陽の基本
「陰陽(いんよう)」とは、相反する2つの性質のことです。
- 陽(よう):活動・上昇・昼・熱・明るさ・外側
- 陰(いん):静止・下降・夜・冷・暗さ・内側
たとえば、太陽と月、昼と夜、男性と女性、春と冬
自然界はすべて、陰と陽に分類できます。
2-2. 陰陽の関係性と変化
陰と陽は、対立しながらも補い合い、バランスを取って存在します。
片方だけが強すぎると、もう一方が弱まり、不調が起きます。
さらに陰と陽は、変化し続けるもの。
昼が夜に変わるように、体の状態も心の状態も、常に陰陽の間を揺れ動いています。
2-3. 陰陽論が示す身体と自然のバランス
東洋医学では、人間も自然の一部と考えます。
・活動しすぎ(陽過多)→ 不眠・イライラ・のぼせ
・冷えすぎ(陰過多)→ むくみ・疲労感・月経不順
このように、陰陽の崩れが身体の不調を引き起こすとされます。
■3.五行論について
3-1. 五行とは「木・火・土・金・水」
五行論(ごぎょうろん)では、自然界のすべてを五つの要素で説明します。
五行 | 特徴 | 自然 | 器官 | 感情 | 色 |
---|---|---|---|---|---|
木(もく) | 成長・のびる力 | 春・風 | 肝(かん) | 怒 | 青・緑 |
火(か) | 上昇・熱・エネルギー | 夏・暑 | 心(しん) | 喜 | 赤 |
土(ど) | 安定・育む | 長夏・湿 | 脾(ひ) | 思 | 黄 |
金(こん) | 収縮・整理 | 秋・乾 | 肺(はい) | 悲 | 白 |
水(すい) | 貯える・冷やす | 冬・寒 | 腎(じん) | 恐 | 黒・青 |
3-2. 五行の「相生」と「相剋」
五行の関係性には2つの大きな流れがあります。
● 相生(そうせい)=育て合う関係
- 木→火:木が燃えて火を生む
- 火→土:火が燃え尽きて灰となり土を生む
- 土→金:土の中から金属が生まれる
- 金→水:金属が冷えて水を生む
- 水→木:水が木を育てる
➡️ 成長・調和・循環を意味する
● 相剋(そうこく)=抑え合う関係
- 木→土:木の根が土を崩す
- 土→水:土が水をせき止める
- 水→火:水が火を消す
- 火→金:火が金属を溶かす
- 金→木:金属の斧で木を切る
➡️ 過剰を抑える・バランスを取る力
3-3. 五行と五臓六腑の関係
五行はそれぞれ、人体の五臓と対応しています。
- 木:肝(かん)…血を蓄え、情緒・筋をコントロール
- 火:心(しん)…血液循環、精神・意識を司る
- 土:脾(ひ)…消化吸収、栄養を運ぶ
- 金:肺(はい)…呼吸・免疫・皮膚とつながる
- 水:腎(じん)…成長・発育・老化・ホルモン
それぞれの臓が、五行のバランスによって支えられているのです。
■4.陰陽と五行の融合「陰陽五行論」
陰陽と五行、それぞれが独立した理論のようでいて、実は深く融合しています。
たとえば「木」は、陽の気が強い春の象徴。
でも、木の中にも「陰=根」や「陽=枝葉」のように、陰陽のバランスがあります。
五行それぞれにも陰陽があり、たとえば…
- 肝は陰の臓だけど、働きが活発すぎると陽に傾く
- 腎は陰を蓄える臓で、年齢とともに陰が不足しがち
こうして陰陽と五行を組み合わせて体の状態を見るのが「陰陽五行論」です。
■5.陰陽五行論が現代人に伝えてくれること
陰陽五行論は、単なる東洋医学の理論ではありません。
✔ ストレスで呼吸が浅くなっていることに気づく
✔ 体の冷えや疲れを「気・血・水(津液)」「五臓」で捉える
✔ 季節の変化に合わせて、生活を調整する
私たちが現代社会で見落としがちな“自然とのつながり”を、もう一度思い出させてくれるものです。
■6.まとめ:あなたの体も自然の一部
陰陽五行論は、「自然と人は一体である」という思想を土台とした知恵です。
自然が春夏秋冬をめぐるように、
私たちの体も変化し、バランスを保とうとしています。
もし今、肩こり、冷え、疲れ、不眠、イライラなど、
理由がわからない不調があるとしたら——
それは、陰陽や五行のバランスが崩れているサインかもしれません。
当サロンでは、陰陽五行の考えに基づき、
あなたの体の声に丁寧に耳を傾けながら、
根本から整える鍼灸を行っています。
「自然のように、ゆるやかに、でも確実に」
そんな変化を、ぜひ一緒に感じてみてください。