東洋医学解説「木・火・土・金・水」
~五行から見る心と体のしくみ~

【目次】
- 五行とは何か?
- 木(もく)|成長と発散のエネルギー
- 火(か)|上昇と情熱のエネルギー
- 土(ど)|安定と育むエネルギー
- 金(こん)|収縮と整理のエネルギー
- 水(すい)|蓄える生命のエネルギー
- 五行で心と体を調える
- まとめ:自然と調和して生きるヒント
■1.五行とは何か?
五行(ごぎょう)とは、東洋思想において「自然界に存在するすべての物事は、木・火・土・金・水という五つの要素から構成されている」とする理論です。
この五行は、ただの自然の要素ではありません。
- 人体(五臓・五腑)
- 感情(怒・喜・思・悲・恐)
- 季節・色・味覚・音
- 性格・心の傾向
など、心身のあらゆる側面を相互に影響し合う関係性で捉えるものです。
特に東洋医学では、この五行を使って病気の原因や体質、感情の傾向まで読み解いていきます。
■2.木(もく)|成長と発散のエネルギー
● 木の性質
- 方角:東
- 季節:春
- 色:青・緑
- 味:酸
- 臓:肝(かん)
- 腑:胆(たん)
- 感情:怒
「木」は、春に芽吹くような伸びやかさ・成長・発展の象徴です。
エネルギーは外へ向かって発散し、物事を“はじめる”力を持っています。
● 木のバランスが取れていると
- 柔軟な思考・行動力
- 筋肉や腱がしなやか
- 情緒が安定している
- 朝にすっきり目が覚める
● 木が乱れると
- 怒りっぽい、イライラ
- PMSや月経不順
- 肩こり・眼精疲労
- 胃腸の不調(肝と脾は深い関係)
■3.火(か)|上昇と情熱のエネルギー
● 火の性質
- 方角:南
- 季節:夏
- 色:赤
- 味:苦
- 臓:心(しん)
- 腑:小腸(しょうちょう)
- 感情:喜
「火」はエネルギーのピーク。情熱・明るさ・喜び・上昇を表します。
心臓や精神活動とも深く関わるため、精神の安定や人とのつながりに関係します。
● 火のバランスが取れていると
- 表情が明るく朗らか
- 心が安定してよく眠れる
- 血流や循環が良い
- 対人関係もスムーズ
● 火が乱れると
- 動悸・不眠・不安感
- 些細なことで興奮・不機嫌になる
- 顔がほてる・口が苦い
- のぼせや熱感を感じる
■4.土(ど)|安定と育むエネルギー
● 土の性質
- 方角:中央
- 季節:長夏(梅雨)
- 色:黄
- 味:甘
- 臓:脾(ひ)
- 腑:胃(い)
- 感情:思
「土」は全体をまとめ、安定させる“中心”の役割。
育てる・受け入れる・消化するなどの機能を象徴します。
● 土のバランスが取れていると
- 胃腸が強く、栄養を吸収できる
- 集中力があり思考が明晰
- 物事の土台を作る力がある
● 土が乱れると
- 食欲不振、胃もたれ、下痢
- むくみ・だるさ
- 思考が堂々巡りする
- 感情を溜め込みやすい
■5.金(こん)|収縮と整理のエネルギー
● 金の性質
- 方角:西
- 季節:秋
- 色:白
- 味:辛
- 臓:肺(はい)
- 腑:大腸(だいちょう)
- 感情:悲
「金」は収縮・整理・浄化・手放しの象徴です。
秋のように、過剰なものをそぎ落とし、本質だけを残す働きを担います。
● 金のバランスが取れていると
- 呼吸が深く落ち着いている
- 肌が潤ってきれい
- 清潔・整頓が得意
- 感情を上手に表現・手放せる
● 金が乱れると
- 呼吸が浅くなる・風邪をひきやすい
- 肌荒れ・乾燥・便秘
- 必要以上に悲観的になる
- 感情を抑え込んでしまう
■6.水(すい)|蓄える生命のエネルギー
● 水の性質
- 方角:北
- 季節:冬
- 色:黒・青
- 味:鹹(しおからい)
- 臓:腎(じん)
- 腑:膀胱(ぼうこう)
- 感情:恐
「水」は生命の根源をつかさどる存在。冷静さ・静けさ・蓄える力を表します。
生殖・ホルモン・骨・髪・耳・老化など、深いところに関係しています。
● 水のバランスが取れていると
- 若々しく、代謝が良い
- 腰や足腰が安定している
- 集中力があり、冷静な判断ができる
● 水が乱れると
- 冷え・頻尿・むくみ
- 腰痛・足のだるさ
- 耳鳴り・不妊・白髪
- 恐怖感・不安感に敏感になる
■7.五行で心と体を調える
五行はバラバラに働くのではなく、互いに関係し合っています。
そのため、ひとつの不調が他の臓器にも影響を与えることがあります。
たとえば…
- 肝(木)が過剰になる → 脾(土)が弱る(相剋)
- 肺(金)が弱る → 腎(水)も弱りやすくなる(相生のサポート不足)
このように、東洋医学では**「原因のさらに奥にある関係性」**に目を向けます。
当サロンでも、肩こり・冷え・自律神経の乱れなどの不調を「五行」の視点で読み解き、
根本改善に向けた施術を行っています。
■8.まとめ:自然と調和して生きるヒント
五行は、自然のサイクルそのもの。
春に芽吹き、夏に繁り、土に根づき、秋に収穫し、冬に蓄える。
それは私たちの体の中でも同じです。
季節に応じた食事、生活、感情との向き合い方を整えることが、
不調を未然に防ぐカギとなります。
あなたの中の「木・火・土・金・水」、今どれが過剰で、どれが不足していそうですか?
五行のバランスを整えることは、
ただの健康づくりではなく、心と体を一緒に整える生き方の知恵です。
気になる症状がある方は、ぜひご相談くださいね。
私が丁寧にあなたのバランスを読み解いていきます。