首こりがある人は、なぜ“呼吸が浅い”のか?
「深呼吸がしづらい」「息が浅くなっている気がする」
そんな声を、首こりで悩んでいる方からよく聞きます。
一見、無関係に思える「呼吸の浅さ」と「首のこり」ですが、実はこの2つは深く関係しています。
しかもこの関係性を知らずに、首こりの改善を目指してマッサージやストレッチを繰り返していても、根本改善にはつながらない可能性が高いのです。
今回は、「なぜ首こりのある人は呼吸が浅いのか?」という疑問に、筋膜やアナトミートレインの観点も含めてお答えしていきます。
■呼吸補助筋が“首まわり”に集中している
呼吸は主に横隔膜を使って行う動作ですが、横隔膜がうまく働かないと、代わりに使われる筋肉があります。
それが、「呼吸補助筋」と呼ばれる筋肉群。
具体的には、
- 胸鎖乳突筋(首の前面)
- 斜角筋(首の側面)
- 僧帽筋(首~肩にかけて)
- 肩甲挙筋(肩甲骨から首へ)
など、首肩まわりの筋肉が主に使われます。
つまり、「呼吸が浅い=首で呼吸している」状態とも言えます。
1日に行う呼吸は約2万回。そのたびに首まわりの筋肉を酷使している状態が続けば、慢性的なこりや疲労を引き起こすのは当然といえます。
■アナトミートレインで見る「首と呼吸」の関係
筋膜の連動理論「アナトミートレイン」では、身体全体が“筋膜のライン”でつながっていると考えます。
その中でも、呼吸に深く関わるラインが2つ。
- ディープフロントライン(DFL):横隔膜・大腰筋・内転筋をつなぐ、体幹の中軸ライン
- スーパーフィシャルフロントライン(SFL):胸筋・腹直筋・前脛骨筋をつなぐ、前面の浅層ライン
ディープフロントラインの働きが弱まると、横隔膜の動きが悪くなり、代償的に首肩まわりの筋肉に負担がかかるようになります。
つまり、本来なら体幹の深部で担うべき呼吸運動が、首まわりの浅層筋に“肩代わり”される構図になってしまうのです。
このように、筋膜ラインで見ても、「呼吸が浅い人が首に負担をかけるメカニズム」が説明できます。
■姿勢の乱れと呼吸の関係
もう一つ、見逃せないのが「姿勢との関係」です。
猫背や巻き肩、ストレートネックなど、現代人に多い姿勢の崩れは、肋骨の動きを制限し、結果的に呼吸が浅くなります。
また、姿勢が崩れると横隔膜が下がりづらくなり、腹圧も保てなくなるため、余計に胸式呼吸が優位になってしまいます。
このときに活躍するのが、またしても“首まわりの筋肉”。
呼吸のたびに肩が上下し、「首で息をする」状態が続いていくわけです。
つまり、呼吸が浅い → 首こりが悪化 → 姿勢が崩れる → さらに呼吸が浅くなる
という負のループに陥ってしまうのです。
■呼吸が浅い人の“体感的な不調”とは?
「呼吸が浅い=息苦しい」というだけではありません。
以下のような症状も、呼吸の浅さが原因となっていることがあります。
- 首こり・肩こり
- 疲れやすい・だるさが抜けない
- 睡眠が浅い・夢をよく見る
- 頭が重い・集中力が落ちる
- 不安感やイライラが強い
呼吸の浅さは自律神経にも影響を与えるため、心身にわたる不調を引き起こす可能性があります。
実際に当サロンに来院される方の中にも、首肩こりの自覚症状がありながら、実は「呼吸が深くできないこと」が根本原因だったというケースが少なくありません。
■まとめ:首こりは呼吸を見直すと解決に近づく
「呼吸が淺い」というと、大したことないと思われがちです。
しかしその裏では、筋膜ラインの細かい繋が潰れ、 首や背中、時には中心系や体全体の疲れまでに影響を与えています。
こりを「こりだけ」と思わずに、 体全体からのサインだとして向き合うこと。
そこから、本当の改善は始まります。
~ 私の想い ~

LaLa鍼灸サロンの髙中沙樹です。
皆様の健康に寄り添い、これからの生活をより明るくするためのサポートをしております。
”このままではいけない”そう感じて行動を起こした女性が集まるサロンです。首肩こり専門と謳っていますが、多くの場合、それはきっかけにすぎません。
・なぜ首肩がつらくなるのか?
・なぜたかが首肩こりにそこまで聞かれるのか?
・なぜたかが首肩こりを改善させる必要があるのか?
それは、首肩こりは体からの静かなSOSだからです。
自分を後回しにしてがんばり続けた日々、そのすべてが首や肩に現れているだけ。
だから私は、「本当の原因」と向き合うことを大切にしています。
つらさをごまかすのではなく、“自分を大切にする”という視点から体を見直すことが、生活を変える第一歩です。
もし、あなたも「そろそろ自分の体とちゃんと向き合いたい」
そう思ったなら、私はあなたの力になれます。
LaLa鍼灸サロンで、あなたの人生がもう一度、軽やかに動き出しますように。