最近よく聞く”6月病”って何?症状・原因・対策を鍼灸師が解説

最近よく聞く”6月病”って何?
症状・原因・対策を鍼灸師が解説
「6月に入ってから、なんだか体がだるい」「気力がわかなくて、朝起きるのがしんどい」——この時期、そんな声をよく聞きます。
実はこれ、「6月病」と呼ばれる状態かもしれません。まだあまり知られていない言葉ですが、梅雨の季節に増える不調として、ここ数年で広く使われるようになってきました。
「6月病」ってどんなもの?
6月病は、お医者さんがつける正式な病名ではありません。6月ごろに体や心の不調が出やすくなる状態をまとめて指す「通称」です。
「5月病」という言葉はよく聞きますよね。新生活のストレスでゴールデンウィーク明けに調子を崩す、あれです。6月病はそれとは少し違い、「新しい環境にやっと慣れてきたころ、疲れが一気に出てくる」のが特徴です。
5月病は「新しい環境に馴染めないストレス」が原因。
6月病は「馴染んできたのに、体が限界を知らせてくる」状態です。
どちらも根本には自律神経(体をコントロールする神経)の乱れがあります。
こんな症状、ありませんか?
6月病は体と心、両方に症状が出るのが特徴です。
- 慢性的なだるさ・疲れ
- 頭痛・肩こり
- 胃腸の不調・食欲がない
- 眠れない・眠りが浅い
- めまい・ふらつき
- 顔や体のむくみ
- やる気が出ない・無気力
- 気分が落ち込みやすい
- 不安・焦りを感じる
- 集中できない
- イライラしやすい
- 好きなことへの興味が薄れる
なぜ「6月病」になるの?
主に4つの原因が重なって起こります。
① 気圧の変化が体に影響する
梅雨の時期は、天気が変わるたびに気圧が大きく上がったり下がったりします。私たちの体は耳の奥でこの変化を感じ取り、その情報が脳に伝わります。すると、体のあらゆる働きを調整している「自律神経」が乱れやすくなります。自律神経は体温・血圧・消化・睡眠など、体の大事な機能すべてにかかわっているため、これが乱れると様々な不調が連鎖します。
② 湿気が体の「巡り」を滞らせる
湿度が高いと汗が出ても蒸発しにくくなり、体の中に熱や水分が溜まりやすくなります。その結果、だるさやむくみ、体の重さを感じやすくなります。東洋医学では、この状態を「湿気(水分)が体に溜まった状態」として古くから捉えてきました。
③ 曇り・雨続きで気持ちが沈む
晴れた日に浴びる日光には、気分をポジティブに保つ働きがある「セロトニン」というホルモンの分泌を助ける効果があります。梅雨の時期は曇りや雨の日が多く日光が減るため、気分の落ち込みや意欲低下につながりやすくなります。
④ 4月からの頑張りが6月に出てくる
新年度スタートの4月から2〜3ヶ月、新しい環境や人間関係に必死に適応してきた疲れが、やっと慣れてきた6月に一気に表面化します。「ようやく落ち着いたと思ったら体が動かない」という経験、身に覚えがある方も多いのではないでしょうか。
今日からできる対策・予防
基本は「自律神経を整えること」。生活の中でできることから少しずつ始めましょう。
- 起きる時間・寝る時間を一定にする
体内時計が整うと自律神経も安定します。曇りの日でも、朝カーテンを開けて光を取り入れる習慣を。 - 温かいものを食べて体を温める
冷たい飲み物・食べ物は体の巡りをさらに滞らせます。梅雨の時期こそ、温かいスープや生姜を意識して取り入れて。 - ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
38〜40℃くらいのお湯に10〜15分。シャワーで済ませることが多い方は、湯船を試してみてください。深い呼吸と一緒に行うとさらに効果的です。 - 「完璧にやらなくていい」と自分に言い聞かせる
頑張り屋さんで責任感が強い方ほど、6月病になりやすいです。今の自分を責めず、少し手を抜くことも大切なセルフケアです。
鍼灸は6月病に効果があるの?
鍼灸には、乱れた自律神経のバランスを整える働きがあります。特定のツボを鍼で刺激することで、体を「休息・回復モード」に切り替える神経(副交感神経)が働きやすくなり、過緊張した体と心がゆるんでいきます。
6月病の「だるい・眠れない・気力がわかない」という症状の多くは、自律神経の乱れが根っこにあります。セルフケアと組み合わせながら、体の内側から整えるアプローチとして取り入れる方が増えています。
背骨の両側には自律神経が走っており、そこに鍼を当てることで交感神経・副交感神経のバランスが整います。また、ツボへの刺激が血流を改善し、溜まった疲れや緊張をほぐす効果も期待できます。WHO(世界保健機関)も鍼灸の有効性を認めており、自律神経の不調への活用は長い歴史があります。
まとめ
- 「6月病」は正式な病名ではなく、梅雨の時期に体や心の不調が出やすくなる状態の通称
- 気圧の変化・湿気・日照不足・蓄積疲労の4つが重なり、自律神経が乱れやすくなる
- だるさ・眠れない・気力がわかないなどの症状が出たら、生活習慣の見直しから始めてみよう
- 鍼灸は乱れた自律神経を整える働きがあり、6月病の不調への対応として取り入れられている
「梅雨だからしょうがない」「年のせいかな」とつい思ってしまいますが、体が出しているサインを見逃さないでほしいと思います。小さな不調も、ちゃんとケアすれば変わっていきます。一人で抱え込まず、気軽にご相談ください。


