食べる量は増えていないのに太る…更年期に変わる代謝と血糖|さいたま市の鍼灸師が解説

食べる量は増えていないのに太る理由|更年期に変わる代謝と血糖。エストロゲン低下・筋肉量の低下・甲状腺・睡眠不足・血糖値の変動・エネルギー不足の6つ
更年期更新日:2026年10月17日LaLa鍼灸サロン代表:髙中沙樹

食べる量は増えていないのに太る…更年期に変わる代謝と血糖|さいたま市の鍼灸師が解説

「食べる量は変わっていないのに、50代になってから体重が増えた」——そんな変化を感じていませんか。
更年期に体の中で起きている変化をお伝えします。
この記事のポイント更年期は、女性ホルモンの減少、筋肉量の低下、甲状腺の働き、睡眠の乱れ、血糖値の波、食べなさすぎによるエネルギー不足など、いくつもの変化が重なる時期です。食べる量が同じでも、体の使い方が変わるため、これまでと同じ食べ方・動き方では体重が増えやすくなります。

「食事は気をつけているのに、お腹まわりだけが太ってきた」「運動を始めても、なかなか体重が落ちない」。更年期の女性から、こうした声をよく聞きます。

この記事では、更年期に太りやすくなる6つの理由と、今日からできる見直しをお伝えします。

「食べる量は同じなのに太る」理由

太りやすくなるのは、体の中の条件が変わったからです。

更年期は、閉経をはさんだ前後約5年ずつ、合わせて約10年間のことです。日本人の平均閉経年齢は約50.5歳で、主な原因は、卵巣の働きが落ちて女性ホルモンが減っていくことです。

体では、ホルモンだけでなく、筋肉や睡眠、血糖値の動きも同じ時期に変わっていきます。それぞれの影響は小さくても、いくつも重なることで、これまでと同じ生活でも太りやすくなります。食事量を減らす前に、まず体の変化を知ることが大切です。

理由①:女性ホルモン(エストロゲン)が減り、脂肪がつきやすくなる

エストロゲンが減ると、脂肪のつき方が変わり、特にお腹まわりにつきやすくなります。

エストロゲンは、月経や妊娠に関わるだけでなく、脂肪のつき方や、血糖・脂質の調整にも関わるホルモンです。閉経後は、お尻や太ももにつく皮下脂肪よりも、お腹の中にたまる内臓脂肪が増えやすいことが知られています。

「体重はそれほど変わらないのに、ウエストが太くなった」「ズボンがきつくなった」と感じる方が多いのは、このためです。

理由②:筋肉量が減り、使うエネルギーが減る

筋肉が減ると、何もしていなくても使うエネルギーが減ります。

私たちの体は、じっとしているときにも、呼吸や体温の維持のためにエネルギーを使っています。これを基礎代謝といいます。筋肉は、この基礎代謝を支える大きな存在です。

筋肉量は10代をピークに少しずつ減り、運動や栄養が足りないと、40〜50代から衰えが目立ち始めるとされています。筋肉が減れば、使うエネルギーも減ります。食べる量が同じなら、使いきれなかった分が体にたまっているのかもしれませんね。

運動不足に加えて、食事を減らすダイエットを繰り返すことも、筋肉が落ちる原因になります。

理由③:甲状腺の働きも、代謝に関わっている

甲状腺は、体の代謝のスピードを調節している臓器です。

のどの前にある小さな臓器で、体温、心拍、消化など、全身の働きに関わっています。甲状腺の働きが落ちると、疲れやすさ、寒がり、むくみ、便秘、体重の増加など、更年期とよく似た症状が出ることがあります。

そのため、「更年期だから」と思い込まず、血液検査で一度確認しておくと安心です。更年期の症状と見分けにくいことについては、別の記事でも詳しくお伝えしています。

理由④:睡眠が乱れ、食欲と血糖の調整に影響する

更年期は眠りが浅くなりやすく、その影響が体重にも及びます。

更年期には、寝つきの悪さや眠りの浅さがよくみられます。睡眠が足りない日は、食欲が強くなったり、甘いものがほしくなったりしやすく、血糖値の調整にも影響します。疲れから体を動かす気力が出ないことも、体重に響きます。

「夜中に目が覚める」「朝すっきり起きられない」という方は、食事や運動の前に、睡眠を整えることが体重管理の土台になります。

理由⑤:血糖値の波が大きいと、脂肪をためやすい

食べ方が変わっていなくても、更年期は血糖値が乱れやすい時期です。

食後に血糖値が急に上がると、それを下げるために、インスリンというホルモンがたくさん出ます。インスリンには、余った糖を脂肪としてためる働きがあります。さらに、血糖値が急に下がると、強い空腹感や甘いものへの欲求が出て、食べすぎにつながります。

パンや丼物の食事、食後のおやつ、間食でお菓子、食事の間隔を空けすぎて1回の食事でドカ食い習慣は、この波を大きくします。更年期と血糖値の関係は、別の記事でも詳しくお伝えしています。

理由⑥:食べなさすぎで、体がエネルギーを節約する

食事を減らしすぎると、体は「省エネ」の状態になり、かえって痩せにくくなります。

エネルギーが足りない状態が続くと、体は消費を抑えようとします。さらに、不足を補うために筋肉が使われ、基礎代謝がまた下がります。「食べていないのに痩せない」と感じる方の中には、この状態の方が少なくありません。

体重を気にして、朝食を抜く、主食を極端に減らす、といった食べ方をしている方は、量を減らすより、食べるものの質と食べるタイミングを整えることが先です。

今日からできる4つの見直し

① 3食のうち、1食は和食にする

ご飯、魚、具だくさんのお味噌汁、野菜の小鉢が揃う和食は、血糖値の波が小さく、筋肉の材料も摂れます。毎食でなくて構いません。まずは1日1食から始めましょう。

② 筋肉の材料になる食品を、毎日の食事に入れる

魚、卵、大豆製品などを、朝・昼・夜のどこかに入れます。魚は、まずは3日に1回、取り入れられるなら2日に1回を目安にしてください。

③ 座りっぱなしを、30分以内で区切る

立ち上がる、背伸びをする、深く呼吸をするなど、小さな動きで構いません。筋肉を使う回数を増やすことが、基礎代謝を保つ土台になります。

④ 睡眠の時間と起きる時刻を整える

眠れない日があっても、起きる時刻は一定にしましょう。朝に日光を浴びると、体内時計が整いやすくなります。

体重は、毎日の増減ではなく、数週間の流れで見ましょう。ウエストまわりや、服のゆとりも目安になります。

先に医療機関へ相談したいサイン

次のような場合は、食事の見直しより先に、医療機関へ相談してください
  • 短期間で、体重が数kg増えた
  • 強いむくみ、息切れ、動悸がある
  • 寒がりや、強い疲れ、便秘が急に目立ってきた
  • 月経以外の出血や、月経の量が急に増えた
更年期以外の原因が隠れていることもあります。通院中や服薬中の方は、自己判断で食事や薬を変えず、主治医にご相談ください。

よくある質問

更年期に太るのは、避けられないのですか?

体の変化はありますが、食べ方と動き方を見直すことで整えられます。 更年期の体は、これまでと使うエネルギーや血糖値の動きが違います。以前と同じやり方では、結果が変わりやすいだけです。

もっと食事を減らしたほうがいいですか?

減らしすぎは逆効果です。 筋肉が落ちて、基礎代謝がさらに下がります。量を減らす前に、食事を抜かないこと、魚や卵、大豆製品などを入れることから始めましょう。

鍼灸院では、体重のことも相談できますか?

はい、ご相談いただけます。 診断や薬の処方はできませんが、食事や睡眠、体の動かし方などの生活の様子をうかがい、体の状態を確認しながら、見直す点を一緒に整理します。

まとめ

  • 更年期に太りやすくなるのは、体の中の条件が変わるからです
  • 女性ホルモン、筋肉量、甲状腺、睡眠、血糖値、食べなさすぎが重なって影響します
  • 食事を減らしすぎず、和食と筋肉の材料、体を動かす習慣、睡眠を整えましょう
  • 急な体重増加やむくみ、動悸があるときは、先に医療機関へ相談しましょう

「食べていないのに太る」と悩んでいる方は、体の変化に合わせた見直しを始めてみてください。

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