食べる量は増えていないのに太る…更年期に変わる代謝と血糖|さいたま市の鍼灸師が解説

食べる量は増えていないのに太る…更年期に変わる代謝と血糖|さいたま市の鍼灸師が解説
更年期に体の中で起きている変化をお伝えします。
「食事は気をつけているのに、お腹まわりだけが太ってきた」「運動を始めても、なかなか体重が落ちない」。更年期の女性から、こうした声をよく聞きます。
この記事では、更年期に太りやすくなる6つの理由と、今日からできる見直しをお伝えします。
「食べる量は同じなのに太る」理由
太りやすくなるのは、体の中の条件が変わったからです。
更年期は、閉経をはさんだ前後約5年ずつ、合わせて約10年間のことです。日本人の平均閉経年齢は約50.5歳で、主な原因は、卵巣の働きが落ちて女性ホルモンが減っていくことです。
体では、ホルモンだけでなく、筋肉や睡眠、血糖値の動きも同じ時期に変わっていきます。それぞれの影響は小さくても、いくつも重なることで、これまでと同じ生活でも太りやすくなります。食事量を減らす前に、まず体の変化を知ることが大切です。
理由①:女性ホルモン(エストロゲン)が減り、脂肪がつきやすくなる
エストロゲンが減ると、脂肪のつき方が変わり、特にお腹まわりにつきやすくなります。
エストロゲンは、月経や妊娠に関わるだけでなく、脂肪のつき方や、血糖・脂質の調整にも関わるホルモンです。閉経後は、お尻や太ももにつく皮下脂肪よりも、お腹の中にたまる内臓脂肪が増えやすいことが知られています。
「体重はそれほど変わらないのに、ウエストが太くなった」「ズボンがきつくなった」と感じる方が多いのは、このためです。
理由②:筋肉量が減り、使うエネルギーが減る
筋肉が減ると、何もしていなくても使うエネルギーが減ります。
私たちの体は、じっとしているときにも、呼吸や体温の維持のためにエネルギーを使っています。これを基礎代謝といいます。筋肉は、この基礎代謝を支える大きな存在です。
筋肉量は10代をピークに少しずつ減り、運動や栄養が足りないと、40〜50代から衰えが目立ち始めるとされています。筋肉が減れば、使うエネルギーも減ります。食べる量が同じなら、使いきれなかった分が体にたまっているのかもしれませんね。
運動不足に加えて、食事を減らすダイエットを繰り返すことも、筋肉が落ちる原因になります。
理由③:甲状腺の働きも、代謝に関わっている
甲状腺は、体の代謝のスピードを調節している臓器です。
のどの前にある小さな臓器で、体温、心拍、消化など、全身の働きに関わっています。甲状腺の働きが落ちると、疲れやすさ、寒がり、むくみ、便秘、体重の増加など、更年期とよく似た症状が出ることがあります。
そのため、「更年期だから」と思い込まず、血液検査で一度確認しておくと安心です。更年期の症状と見分けにくいことについては、別の記事でも詳しくお伝えしています。
理由④:睡眠が乱れ、食欲と血糖の調整に影響する
更年期は眠りが浅くなりやすく、その影響が体重にも及びます。
更年期には、寝つきの悪さや眠りの浅さがよくみられます。睡眠が足りない日は、食欲が強くなったり、甘いものがほしくなったりしやすく、血糖値の調整にも影響します。疲れから体を動かす気力が出ないことも、体重に響きます。
「夜中に目が覚める」「朝すっきり起きられない」という方は、食事や運動の前に、睡眠を整えることが体重管理の土台になります。
理由⑤:血糖値の波が大きいと、脂肪をためやすい
食べ方が変わっていなくても、更年期は血糖値が乱れやすい時期です。
食後に血糖値が急に上がると、それを下げるために、インスリンというホルモンがたくさん出ます。インスリンには、余った糖を脂肪としてためる働きがあります。さらに、血糖値が急に下がると、強い空腹感や甘いものへの欲求が出て、食べすぎにつながります。
パンや丼物の食事、食後のおやつ、間食でお菓子、食事の間隔を空けすぎて1回の食事でドカ食い習慣は、この波を大きくします。更年期と血糖値の関係は、別の記事でも詳しくお伝えしています。
理由⑥:食べなさすぎで、体がエネルギーを節約する
食事を減らしすぎると、体は「省エネ」の状態になり、かえって痩せにくくなります。
エネルギーが足りない状態が続くと、体は消費を抑えようとします。さらに、不足を補うために筋肉が使われ、基礎代謝がまた下がります。「食べていないのに痩せない」と感じる方の中には、この状態の方が少なくありません。
体重を気にして、朝食を抜く、主食を極端に減らす、といった食べ方をしている方は、量を減らすより、食べるものの質と食べるタイミングを整えることが先です。
今日からできる4つの見直し
① 3食のうち、1食は和食にする
ご飯、魚、具だくさんのお味噌汁、野菜の小鉢が揃う和食は、血糖値の波が小さく、筋肉の材料も摂れます。毎食でなくて構いません。まずは1日1食から始めましょう。
② 筋肉の材料になる食品を、毎日の食事に入れる
魚、卵、大豆製品などを、朝・昼・夜のどこかに入れます。魚は、まずは3日に1回、取り入れられるなら2日に1回を目安にしてください。
③ 座りっぱなしを、30分以内で区切る
立ち上がる、背伸びをする、深く呼吸をするなど、小さな動きで構いません。筋肉を使う回数を増やすことが、基礎代謝を保つ土台になります。
④ 睡眠の時間と起きる時刻を整える
眠れない日があっても、起きる時刻は一定にしましょう。朝に日光を浴びると、体内時計が整いやすくなります。
体重は、毎日の増減ではなく、数週間の流れで見ましょう。ウエストまわりや、服のゆとりも目安になります。
先に医療機関へ相談したいサイン
- 短期間で、体重が数kg増えた
- 強いむくみ、息切れ、動悸がある
- 寒がりや、強い疲れ、便秘が急に目立ってきた
- 月経以外の出血や、月経の量が急に増えた
よくある質問
更年期に太るのは、避けられないのですか?
体の変化はありますが、食べ方と動き方を見直すことで整えられます。 更年期の体は、これまでと使うエネルギーや血糖値の動きが違います。以前と同じやり方では、結果が変わりやすいだけです。
もっと食事を減らしたほうがいいですか?
減らしすぎは逆効果です。 筋肉が落ちて、基礎代謝がさらに下がります。量を減らす前に、食事を抜かないこと、魚や卵、大豆製品などを入れることから始めましょう。
鍼灸院では、体重のことも相談できますか?
はい、ご相談いただけます。 診断や薬の処方はできませんが、食事や睡眠、体の動かし方などの生活の様子をうかがい、体の状態を確認しながら、見直す点を一緒に整理します。
まとめ
- 更年期に太りやすくなるのは、体の中の条件が変わるからです
- 女性ホルモン、筋肉量、甲状腺、睡眠、血糖値、食べなさすぎが重なって影響します
- 食事を減らしすぎず、和食と筋肉の材料、体を動かす習慣、睡眠を整えましょう
- 急な体重増加やむくみ、動悸があるときは、先に医療機関へ相談しましょう
「食べていないのに太る」と悩んでいる方は、体の変化に合わせた見直しを始めてみてください。

