食べ方は変わっていないのに血糖値が上がった…更年期との関係|さいたま市の鍼灸師が解説

食べ方は変わっていないのに血糖値が上がった…更年期との関係|さいたま市の鍼灸師が解説
更年期に血糖値が上がりやすくなる背景を、女性ホルモン・筋肉・睡眠・ストレスの面からお伝えします。
「食べ方は何も変わっていないのに、どうして?」——更年期の頃にそう感じる方は少なくありません。
この記事を読むと、更年期に血糖値が上がりやすくなる5つの背景と、今日からできる整え方が分かります。
食べ方は変わっていないのに、なぜ血糖値が上がるの?
食事の内容よりも、体の「糖の使い方」が変化している可能性があります。
更年期は、閉経前後の約10年間(閉経前5年と閉経後5年)を指します。この時期は女性ホルモン(エストロゲン)が大きく揺らぎながら減っていくため、血糖値だけでなく、コレステロールや血圧にも変化が出やすくなります。厚生労働省の資料でも、閉経前は女性のほうが高血圧・糖尿病・脂質異常症が少ないものの、年齢とともに次第に男性を追い抜いていくとされています。
つまり「食べ方が同じなのに数値が上がる」のは、意志や努力の問題ではなく、体の変化が背景にあることが多いのです。
エストロゲンの減少と糖代謝
エストロゲンは、血糖値を下げるインスリンの働きを支える役割に関わっていると考えられています。
エストロゲンが減ると、インスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)になりやすいといわれています。インスリンが効きにくくなると、同じ食事をしても血糖値が高めに出たり、下がりにくくなったりする可能性があります。また、エストロゲンはLDL(悪玉)とHDL(善玉)コレステロールのバランスにも関わっており、閉経後はLDLが増えHDLが減る傾向があります。血糖値とコレステロールは、同じ時期に変化が重なりやすい数値です。
筋肉量の低下と血糖値
筋肉は、食事で摂った糖を使う「大きな消費先」のひとつです。
年齢とともに筋肉量は少しずつ減っていきます。特に下半身の筋肉が減ると、血液中の糖が使われにくくなり、血糖値が高めになりやすい可能性があります。さらに筋肉が減ると基礎代謝も下がるため、「食べていないのに太る」「体重が落ちにくい」という変化にもつながります。
更年期世代の方の体を診ていると、「あまり動かなくなった」「座っている時間が増えた」という方がとても多いです。特に太ももやお尻まわりが硬く、動きが小さくなっている方ほど、疲れやすさや代謝の落ちを感じていることが多い印象です。
睡眠不足が食欲と血糖を乱す
眠りが浅い日が続くと、食欲を調整するホルモンのバランスが乱れやすくなります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、睡眠不足になると食欲を抑えるホルモン(レプチン)が減り、食欲を高めるホルモン(グレリン)が増えることで、食欲が増しやすくなると紹介されています。また、不眠のある方は糖尿病のリスクが1.5〜2倍になるという報告もあります。更年期は、ほてりや寝汗、中途覚醒などで睡眠が乱れやすい時期です。「最近、夜に甘いものが欲しくなる」という変化には、睡眠の影響が隠れていることがあります。
ストレスとコルチゾール
ストレスが続くと、血糖値を上げる方向に働くホルモン(コルチゾール)が出やすくなります。
コルチゾールは、体がストレスに立ち向かうために血糖を高めに保つ働きがあります。仕事・家事・育児・介護などで気が休まらない状態が続くと、脳と副腎をつなぐストレス反応(HPA軸)が働き続け、血糖値が下がりにくくなる可能性があります。更年期は家庭や仕事の変化も重なりやすいため、体だけでなく心の負担にも目を向けることが大切です。
内臓脂肪がつきやすくなる
閉経前後は、皮下脂肪よりもお腹まわりの内臓脂肪がつきやすくなるといわれています。
内臓脂肪が増えると、インスリンの効きがさらに悪くなりやすいと考えられています。体重はあまり変わっていなくても、ウエストまわりだけが太くなってきた場合は、体の中で変化が起きているサインかもしれません。
口の渇きが強い・水をたくさん飲む・トイレの回数が急に増えた・食べているのに体重が急に減った・強いだるさが続く、といった症状がある場合や、健診で再検査・精密検査を指摘された場合は、医療機関で確認することをおすすめします。これらに当てはまらない場合は、LaLa鍼灸サロンでもお気軽にご相談ください。
食べない対策ではなく、筋肉と食事を整える
血糖値が気になるとき、いちばん避けたいのは「食べる量を急に減らすこと」です。
欠食や極端な糖質制限は、筋肉を減らし、かえって代謝を落としてしまう可能性があります。まずは次のことから始めてみてください。
- タンパク質をしっかり摂る:魚・卵・大豆製品を中心に、毎食手のひら1枚分を目安に
- 野菜を先に食べる:キャベツや具沢山のお味噌汁を1日1回取り入れて、食べる順番をゆるやかに
- 30分以内に一度動く:座りっぱなしを避け、立ち上がって下半身(太もも・お尻)を使う
- 睡眠を整える:寝る前の画面時間を減らし、夜に温かい飲み物でひと息つく
服薬中の方は、食事や運動を変える前に主治医へ相談しながら進めてください。
ご相談いただきやすい方
- 健診の数値は気になるが、食事制限はつらい方
- 疲れやすさ・睡眠・体重の変化をまとめて見直したい方
- 無理なく続けられる体づくりを始めたい方
医療機関も併せて検討したい方
- 口の渇き・多飲多尿・急な体重減少がある方
- 強いだるさが続いている方
- 健診で再検査・精密検査を指摘された方
よくある質問
更年期になると、血糖値は必ず上がりますか?
必ず上がるわけではありません。 ただ、ホルモン・筋肉・睡眠・ストレスなどの変化が重なると、上がりやすくなる可能性があります。
甘いものをやめれば血糖値は下がりますか?
それだけでは十分でないことが多いです。 食事内容に加えて、筋肉量・睡眠・ストレスなど体全体の状態を整えることが大切です。
糖質制限をしたほうがいいですか?
極端な制限はおすすめしていません。 主食を抜くと筋肉が落ちやすくなり、続けにくくなります。まずはタンパク質と野菜を整えることから始めましょう。
運動は何から始めればいいですか?
まずは「座りっぱなしを減らす」ことからで十分です。 30分以内に一度立ち上がり、スクワットやかかと上げなど、下半身を少し動かすことから始めてみてください。
まとめ
- 食べ方が変わっていなくても、更年期には血糖値が上がりやすくなる可能性があります
- 背景には、エストロゲンの減少・筋肉量の低下・睡眠不足・ストレス・内臓脂肪の増加があります
- 対策は食べない工夫ではなく、筋肉と食事を整えること
「何から始めたらいいか分からない」という方は、まず今の体調や生活を教えてください。無理のない進め方を一緒に考えます。


