「血糖値とコレステロール値が高い人」体の中で何が起きている?|さいたま市の鍼灸師が解説

「血糖値とコレステロール値が高い人」
体の中で何が起きている?
健診結果を見て、「血糖値が高めですね」「コレステロールも高いですね」って、まとめて指摘されたことありませんか?
そうすると、「甘いもの、控えなきゃ」「脂っこいもの、減らさなきゃ」って、つい別々の問題として考えちゃいますよね。でも実はこの2つ、体の中では「エネルギー代謝」という一つの大きな流れでつながっているんです。今日は、血糖値とコレステロールが両方高いとき、体の中で何が起きているのかを、栄養学の視点から一緒に見ていきましょう。
血糖値とコレステロールは、別々の数値に見えて、実は「糖と脂質をきちんとエネルギーとして使い切れているか」という、体の一つの仕組みの結果として現れています。糖質を減らす・脂質を控えるという食事の工夫だけでなく、筋肉量、睡眠、ストレス、女性ホルモンの状態まで含めて、体全体から見ていくことが大切です。
血糖値が高いのは、糖をうまく使えていないサイン?
血糖値とは、血液の中にどれくらいブドウ糖が含まれているかを示す数値のことです。食事から摂った糖質は消化・吸収されるとブドウ糖になり、血液中に入って血糖値を上げます。すると膵臓から「インスリン」というホルモンが出て、ブドウ糖を細胞に届け、体を動かすエネルギーとして使われる、という流れが本来の姿です。
ところが食べ過ぎや運動不足、内臓脂肪の増加、睡眠不足などが重なると、インスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)が起こることがあります。すると糖が細胞にうまく取り込まれず、血液中に残りやすくなる。これが血糖値が高くなる背景のひとつです。
使いきれなかった糖は、どこへ行くの?
ここが血糖値とコレステロールをつなげて考える大事なポイントです。血液中の糖は、まず肝臓や筋肉に「グリコーゲン」という形で蓄えられます。ただ、蓄えられる量には限りがあるんです。エネルギーとして使い切れず、貯蔵にも回しきれない状態が続くと、余った分は中性脂肪として蓄えられる方向に進んでいきます。
「脂っこいものはそんなに食べていないのに中性脂肪が高い」という方は、脂質だけでなく、糖質やアルコール、食事全体のエネルギー量も一緒に見直す必要があります。
内臓脂肪が増えると、なぜ血糖値もコレステロールも上がりやすくなるの?
内臓脂肪が増えすぎると、脂肪組織から出る物質のバランスが変化し、体の中で慢性的な軽い炎症が起こりやすくなります。これがインスリン抵抗性と関係し、血糖値が上がりやすくなる、余ったエネルギーがさらに脂肪として蓄えられる、内臓脂肪が増える……という循環につながることがあります。
- 食べ過ぎ・運動不足による内臓脂肪の増加
- 慢性的な軽い炎症とインスリン抵抗性
- 血糖値の上昇と脂肪蓄積の悪循環
血圧が気になっている方も、実はこの内臓脂肪や血管の状態が関係していることが多いんです。あわせて「血圧が高いと言われたら?血管まで守れていますか」の記事もチェックしてみてくださいね。
コレステロールは、低ければ低いほど安心なの?
コレステロールとは、細胞膜やホルモンの材料になる、体に欠かせない脂質の一種のことです。「コレステロール=体に悪いもの」というイメージを持っている方は多いのですが、実は女性ホルモンなどのステロイドホルモン、ストレスに対応するコルチゾール、ビタミンD、胆汁酸などを作る材料として使われています。
ここで意外と知られていないのが、「コレステロールは低ければ低いほど安心」というわけでもない、という点です。コレステロールが必要以上に少なくなると、免疫の働きが弱まったり、血管がもろくなりやすくなったりすることが報告されています。特に女性にとってはホルモンの材料になるという役割も大きいため、「下げること」だけを目指すのではなく、総コレステロール・LDL・HDL・中性脂肪のバランスで見ていく視点が大切です。
血管の状態が気になる方は「動脈硬化は食事で変わる?血管を守る今日からの食べ方」もあわせてどうぞ。
40〜50代から数値が変わりやすいのは、なぜ?
「若い頃と食べる量はそんなに変わっていないのに、健診で引っかかるようになった」という女性、少なくありません。特に更年期前後は、女性ホルモンのエストロゲンが低下していきます。エストロゲンは脂質代謝にも関わっているため、更年期以降はLDLコレステロールなどの数値が上がりやすくなることが知られています。
さらに年齢とともに筋肉量が減ると、糖を使う場所そのものが減り、活動量も落ちて、エネルギーを消費しにくい体になっていきます。だから40〜50代以降は、若い頃と同じ生活をしていても数値が変わってくることがあるんですね。
ホルモンの働きについては「若返りの五大ホルモンとは?」、加齢による代謝の変化は「老化は何歳から始まるの?」の記事でも詳しく触れています。
今日からできること
「何を食べたか」だけに目が向きがちですが、代謝には睡眠・ストレス・運動量・筋肉量・自律神経・ホルモンなども関係しています。まずはできることから、少しずつ整えていきましょう。
- 甘いもの・脂質だけでなく、食事全体の量とタイミングを見直す
- 筋肉を使う機会(歩く・階段を使うなど)を日常に増やす
- 睡眠の質を整え、慢性的なストレスをためこまない
- 数値の背景(生活習慣・年齢によるホルモン変化など)を知る
よくある質問
まとめ
- 血糖値とコレステロールは別問題ではなく、糖と脂質の代謝という一つの流れでつながっている
- 使いきれなかった糖は中性脂肪として蓄えられ、内臓脂肪の増加が血糖値・コレステロール両方に影響する
- 更年期以降はエストロゲンの低下や筋肉量の減少で、若い頃と同じ生活でも数値が変わりやすくなる
健診の数字は、これまでの食事・運動・睡眠・ストレス・年齢によるホルモン変化など、さまざまな要因が重なった結果として現れています。「何を減らすか」だけでなく、「なぜこの数字になったのか」という視点で、自分の体や生活習慣を見直すきっかけにしてみてくださいね。


