動脈硬化は食事で変わる?血管を守る今日からの食べ方|さいたま市の鍼灸師が解説

動脈硬化は食事で変わる?
血管を守る今日からの食べ方
「健康診断でコレステロールを指摘された」「最近、血圧が少し高くなってきた」「血管年齢が実年齢より高かった」。50代、60代になると、こうした血管に関する数値が気になり始める方も多いのではないでしょうか。
そこで気になるのが、「一度硬くなった血管は、もう元には戻らないの?」ということ。今日は、血管をしなやかに保つための食べ方についてお話しします。
動脈硬化は「一度なったら終わり」ではなく、進行のスピードを緩やかにしたり、血管が働きやすい環境を整えたりすることは、食事や生活習慣からでもできます。ポイントは、コレステロールの数値だけを気にするのではなく、血管そのものが元気に働ける栄養状態をつくること。今日は、そのための食べ方についてお話しします。
動脈硬化とは、血管に何が起きている状態?
動脈硬化とは、血管の壁が厚く硬くなり、血液の通り道が狭くなっていく状態のことです。「コレステロールが血管に溜まって詰まっていく」というイメージを持っている方も多いと思いますが、それだけではありません。
血管の一番内側には、薄い膜のような組織があります。これは血管にとってただの壁ではなく、血管を広げたり、血液が固まりすぎないよう調整したりする、いわば血管の”管理人さん”のような存在。血圧や血糖が高い状態が続いたり、体の中がサビつくような負担が続いたりすると、この管理人さんの働きが落ちて、動脈硬化が進みやすい状態になっていきます。
コレステロールの数値だけでなく、「血管そのものが元気に働けているかどうか」も、実は同じくらい大事な視点です。
硬くなった血管は、もう元に戻らないって本当?
結論からいうと、硬くなった血管を直接”柔らかくする”ことだけを目的とした薬は、今のところありません。
「血液サラサラの薬」という言葉、よく聞きますよね。これは血を固まりにくくして詰まりを防ぐ薬のことで、血管そのものの硬さとはまた別の話です。血圧やコレステロールを薬で管理することも、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐうえでとても大切ですが、これらの薬も主に「進行を抑える」「血管への負担を減らす」ためのもの。血管がしなやかに働ける状態そのものをつくっていくのは、日々の食事や運動といった生活習慣の役割が大きいんです。だからこそ、「薬に任せておけば大丈夫」ではなく、今日の食べ方や過ごし方が、これから先の血管の状態につながっていきます。
血管をしなやかに保つカギになる体の中の物質って何?
血管をしなやかに広げる働きをするのが、体の中で作られる「一酸化窒素」という物質です。名前だけ聞くと排気ガスのようで少し怖い印象を持つかもしれませんが、体の中では血管をゆるめて広げてくれる、いわば”天然の血管拡張スイッチ”のような役割を担っています。
この物質が作られる → 血管を取り巻く筋肉がゆるむ → 血管が広がる → 血流がスムーズになる、という流れです。血管を広げるだけでなく、詰まりを防いだり、血管の壁が厚くなるのを抑えたりする働きも報告されています。
- この物質の材料になる栄養素は「アルギニン」というアミノ酸の一種
- 魚、大豆、納豆、豆腐、きな粉、ごま、ナッツ類などに含まれている
- 特別な食材ではなく、普段の食卓にあるものばかり
ただし、この栄養素だけをたくさん摂れば血管が柔らかくなる、というわけではありません。血糖が高い状態や体のサビつきが続いていると、この物質を作る力自体が落ちてしまうこともあります。大切なのは、ひとつの栄養素に頼るのではなく、体全体の栄養バランスを整えていくことです。
今日からできること
いきなり毎日の食事を完璧に変える必要はありません。まずは「一食」から始めてみましょう。
- お肉中心の食事なら、まず一食を魚料理に置き換えてみる
- そこに豆腐や納豆をプラスしてみる
- お味噌汁に、わかめやきのこを入れてみる
- お菓子が多ければ、時々は無塩のナッツに置き換えてみる
- 歩く時間を少し増やしてみる(体を動かすことも、血管を広げる働きを促すと報告されています)
ご飯+魚+豆腐や納豆+野菜+海藻やきのこのお味噌汁。いわゆる昔ながらの和食のかたち(LaLaでは「美膳食」と呼んでいます)を、1日1回意識するところから始めてみてください。
50代以降は、更年期に伴うホルモンの変化で「今まで通りの食生活なのに数値が変わってきた」ということも起こりやすくなります。だからこそ、体重の増減だけでなく「これから先も元気に働ける血管をつくる」という視点を持ってみてほしいなと思います。年齢のせいにせず整えていく考え方については「年齢のせいにしない、更年期の整え方」にもまとめています。
よくある質問
まとめ
- 動脈硬化は血管の内側の働きも関わる状態で、コレステロール値だけでは語れない
- 血液をサラサラにする薬はあっても、血管を直接柔らかくする薬はない。だからこそ日々の食事や習慣が大切
- いきなり完璧を目指さず、「一食を変える」ところから始めるのが続けるコツ
今日食べたものが、これからの自分の体をつくっていきます。まずは今日の一食から、ご飯・魚・大豆製品・野菜・海藻・きのこを組み合わせた「美膳食」を意識してみてくださいね。


