“姿勢を正そう”と頑張るほど肩がこる?力を抜けない体の特徴|さいたま市の鍼灸師が解説

“姿勢を正そう”と頑張るほど肩がこる?力を抜けない体の特徴
「頑張っているのになぜ楽にならないのか」・「良い姿勢のどこが逆効果になっているのか」・「力を抜きながら整える方法」を分かりやすくお伝えします。
鏡の前で姿勢を直したり、周りから「姿勢が悪い」と言われて胸を張るように意識したり——真面目に取り組んでいる方ほど、夕方になると肩から首にかけて重だるさを感じていませんか。
この記事を読むと、「正しい姿勢」を目指すことがなぜ肩こりにつながってしまうのかが分かり、力を抜きながら姿勢を整える方向に切り替えるきっかけになります。
姿勢を正しているのに肩がこるのはなぜ?
「正しい形」を保とうとする意識そのものが、筋肉を常に緊張させ続けてしまうためです。
姿勢を整えるとき、多くの方は「胸を張る」「肩甲骨を寄せる」「顎を引く」といった形を一定時間キープしようとします。ですが筋肉は本来、力を入れる場面と抜く場面を交互に繰り返すことで血流が保たれる仕組みになっています。「良い姿勢」を一つの形として長時間固定しようとすると、本来休むはずの筋肉が休めなくなり、血流が滞って疲労物質がたまりやすくなります。デスクワーク中に「今、姿勢を保っている」と意識している時間が長い方ほど、この状態に当てはまりやすい傾向があります。
当サロンでも、「姿勢はかなり気をつけている」とおっしゃる方ほど、肩甲骨まわりや胸まわりの筋肉が硬く触れることがよくあります。姿勢への意識が低いわけではなく、むしろ真面目に取り組んでいるからこそ、力を抜くタイミングを作れていないケースが多い、というのが施術を通じての実感です。
「良い姿勢のやりすぎ」の3パターン
「胸を張りすぎる」「肩甲骨を寄せ続ける」「顎を引きすぎる」の3つが代表的です。
どれか一つだけでなく、複数が同時に起きていることも多く、体格や日々の癖によって当てはまり方には個人差があります。
- 胸を張りすぎる:肋骨が持ち上がった状態が続くと、呼吸のたびに広がるはずの肋骨の動きが制限され、呼吸が浅くなりやすくなります。呼吸が浅くなると、首や肩まわりの筋肉が呼吸の補助として余分に働くことになり、こりにつながります。
- 肩甲骨を寄せ続ける:肩甲骨を背骨側に寄せる筋肉(僧帽筋や菱形筋など)が常に収縮した状態になり、休む間がなくなります。特に、寄せている感覚がないと「姿勢が崩れた」と不安になる方は、無意識に力を入れ続けている場合があります。
- 顎を引きすぎる:顎を強く引く動きは首の後ろの筋肉を縮めた状態で固定することにつながり、頭を支える筋肉が緊張したままになります。特にスマートフォンやパソコン作業中は、顎を引く動きと前傾姿勢が同時に起きやすく、負担が重なりやすい組み合わせです。
これらは単独の原因というより、「良い姿勢を保とう」とする意識の強さと、力を抜くタイミングの少なさが重なって起きていると考えられます。同じ姿勢を意識していても、こりの出方や感じ方には個人差があります。
今日からできることは?
「正しい形を保つ」から「呼吸で力を抜くタイミングを作る」という考え方に切り替えるための、試しやすい方法を3つ紹介します。
- 大きく息を吐き切る:胸を張ったままではなく、一度肩の力を抜きながら口からゆっくり息を吐き切ります。30分以内に1回を目安に。
- 肩甲骨を「寄せる」でなく「回す」:肩をすくめてからストンと下ろす動きを5回程度。寄せた状態を保つより、動かして緩める意識に変えます。
- 顎を引いたままにしない:うなずくように顎を軽く上下に動かし、首の後ろの緊張をゆるめる時間を数分に一度作ります。
急に強い痛みが出た場合、腕や手にしびれ・力の入りにくさがある場合、胸の痛みや息苦しさを伴う場合、転倒や事故などのケガの後に症状が出た場合は、自己判断でセルフケアを続けず、医療機関にご相談ください。
※薬を使用中・通院中の方は、自己判断で中止・変更せず、主治医へご相談ください。
LaLa鍼灸サロンへの相談が合うのはどんな方?
ご相談いただきやすい方
- 姿勢を意識しているのに肩こりが続いている方
- 呼吸が浅い・胸が張りやすい自覚がある方
- 自分でできる範囲のセルフケアを一緒に見直したい方
先に医療機関をおすすめする方
- 腕や手にしびれ・力の入りにくさがある方
- 胸の痛みや息苦しさを伴う方
- ケガや事故の後から症状が出ている方
当サロンでは、姿勢そのものを「正しい形」として矯正するのではなく、呼吸や肋骨・胸椎の動きも含めて、力を抜けるポイントがどこにあるかを一緒に確認していく評価を行っています。姿勢の癖は人によって異なるため、一律の型をあてはめるのではなく、その方の日常の動きに合わせて確認します。
よくある質問
姿勢矯正グッズやコルセットは使わない方がいいですか?
使う場面によりますが、常時つけっぱなしにするより、使う時間を区切ることをおすすめしています。 長時間固定すると、今回ご紹介したような「力を抜けない」状態と同じことが起きやすくなるためです。
猫背は直した方がいいのに、なぜ「頑張りすぎ」がダメなんですか?
姿勢を整えること自体は大切ですが、「一つの形をキープし続けること」が負担になりやすい、という点がポイントです。 形を意識する時間と、力を抜く時間を交互に作ることを意識してみてください。
どのくらいの期間で力の抜き方に慣れますか?
個人差がありますが、まずは1〜2週間、30分以内に1回程度の呼吸と肩の脱力を試すところから始める方が多いです。 慣れてきたら回数やタイミングを自分に合わせて調整してみてください。
デスクワーク中でもできる対策はありますか?
座ったままできます。 特に息を吐き切る動作は、画面を見ながらでも取り入れやすいセルフケアです。
まとめ
- 姿勢を正しているのに肩がこるのは、「正しい形」を保とうとする意識が筋肉を緊張させ続けているためと考えられます
- 「胸を張りすぎる」「肩甲骨を寄せ続ける」「顎を引きすぎる」の3つが代表的なパターンです
- 形を保つことより、呼吸で力を抜くタイミングを作ることが、肩こりの負担を減らす一歩になります
姿勢を頑張ってきたこと自体は、決して間違いではありません。力を抜くタイミングを少し増やすだけでも、体の感じ方は変わってきます。ご自身のペースで、今日ご紹介した方法から試してみてください。


