更年期だと思っていた不調、甲状腺の働きも関係している?

更年期だと思っていた不調、甲状腺の働きも関係している?
更年期の症状と甲状腺機能の変化による症状は、とてもよく似ています。今回は、その共通点と、知っておきたい視点を整理します。
40代・50代になると、さまざまな不調を「更年期だから仕方ない」と感じやすくなります。
ただ、その不調の中には、甲状腺の働きの変化が関係しているものも含まれていることがあります。この記事では、更年期と甲状腺の症状がなぜ似ているのか、共通しやすい症状、そして知っておきたい視点をお伝えします。
更年期と甲状腺、なぜ症状が似ているのか?
更年期の不調と甲状腺機能低下による不調は、それぞれ別の仕組みで起こりますが、行き着く先が似ているために症状が重なります。
更年期は、卵巣から分泌されるエストロゲンが年齢とともに減っていく時期です。エストロゲンは自律神経や体温調節、代謝、気分の安定などさまざまな働きに関わっているため、その変動によって多彩な症状が起こります。
一方、甲状腺は喉の前側にある小さな器官で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは全身の代謝(体がエネルギーを作り、使うペース)を調整する役割を持っています。この甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、代謝全体がゆっくりになり、疲れやすさや冷え、むくみ、体重の増加といった変化が起こります。代表的な原因の一つが、自己免疫の仕組みが関係して甲状腺に炎症が起こる橋本病です。
つまり、更年期は「女性ホルモンの変化」、甲状腺機能低下は「代謝を調整するホルモンの変化」という、異なる仕組みから始まっていますが、どちらも自律神経や代謝に影響するため、体に現れる症状が重なりやすいのです。さらに、甲状腺の機能は40代・50代以降に低下しやすくなることも知られており、更年期の時期と重なりやすいことも、両者が混同されやすい理由の一つです。
「更年期だから仕方ない」とおっしゃってサロンにいらっしゃる方の中に、実は甲状腺の検査を一度も受けたことがない、という方が少なくありません。原因を一つに決めつけず、まずは症状を丁寧に振り返ることをお伝えしています。
共通しやすい症状
更年期と甲状腺機能低下には、次のような共通しやすい症状があります。
- 疲れやすい
- 寒がり、冷え
- むくみ
- 便秘
- 体重が増える
- 気分が落ち込む
- 集中しにくい
- 首肩が重い
これらの症状は、更年期だけでも、甲状腺機能低下だけでも、あるいは両方が重なっても起こり得ます。症状の一覧だけを見て「どちらか」を判断することは難しく、これがまさに、見た目だけでは区別がつきにくい理由です。
特に、首肩の重さや疲れやすさは、日々の姿勢や生活習慣による不調と紛れてしまいやすい症状でもあります。だからこそ、単発の症状ではなく、複数の症状が同時に、しかも以前より強く続いているかどうかを振り返ることが一つの手がかりになります。
「更年期かな」で終わらせずに知っておきたいこと
更年期の不調も、甲状腺機能低下による不調も、どちらも一人で抱え込まずに向き合ってよいものです。すべてを「年齢のせい」「更年期だから」と自己判断してしまうと、本来確認できるはずの甲状腺の状態に気づかないまま過ごしてしまうこともあります。
甲状腺の機能は、血液検査(甲状腺ホルモンの値)で確認できます。婦人科や内科、甲状腺を専門に診ている医療機関で調べてもらうことができるので、気になる症状が続く場合は、選択肢の一つとして知っておくとよいでしょう。
- 複数の症状が同時に、以前より強く続いていないか振り返る
- 「更年期だから」と自己判断で片付けず、気になる場合は検査という選択肢も知っておく
- 日常生活では、体を冷やさない、巡りを整える生活習慣を意識する
ご相談いただきやすい方
- 更年期の不調と体の変化を整理したい方
- 生活習慣から巡りを整えていきたい方
- 症状の背景を知っておきたい方
医療機関への受診をおすすめする方
- 疲れやすさや冷え、むくみなどが急に強くなった方
- 体重の大きな変動がある方
- 脈の異常や動悸、首の腫れが気になる方
よくある質問
更年期と甲状腺の症状はどう違いますか?
見た目の症状だけでは区別が難しいです。 疲れやすさ、冷え、むくみ、気分の落ち込みなどは共通して起こるため、症状だけで判断することはおすすめできません。
甲状腺の状態は何で分かりますか?
血液検査で甲状腺ホルモンの値を調べることで分かります。 婦人科や内科などで相談できます。
更年期と甲状腺機能低下が同時に起こることはありますか?
はい、重なって起こることもあります。 どちらか一方と決めつけず、気になる症状は一度確認しておくと安心です。
橋本病とはどんな病気ですか?
甲状腺機能低下症の代表的な原因の一つです。 自己免疫の仕組みが関係して甲状腺に慢性的な炎症が起こり、甲状腺ホルモンの分泌が徐々に低下していく状態です。
何科を受診すればいいですか?
婦人科または内科(甲状腺外来があればそちら)が相談先になります。 かかりつけ医がいる場合は、まずそちらに相談するのもよい方法です。
まとめ
- 更年期と甲状腺機能低下は、原因が異なりますが症状が似ています
- 疲れやすさ、冷え、むくみ、気分の落ち込みなどは両方に共通する症状です
- 「更年期だから」で終わらせず、気になる場合は血液検査という選択肢も知っておきましょう
すべての不調を年齢のせいにせず、まずは自分の症状を丁寧に振り返ることから始めてみてください。


