オメガ6は炎症を引き起こす?オメガ3・9との違いを鍼灸師が解説

栄養更新日:2026年10月10日LaLa鍼灸サロン代表:髙中沙樹

オメガ6は炎症を引き起こす?オメガ3・9との違いを鍼灸師が解説

「炎症を抑えるには、油を控えたほうがいい」——この考え方は、半分だけ正しいです。
オメガ6が炎症にどう関わるのか、オメガ3・9とは何が違うのかを、できるだけシンプルに整理します。
この記事のポイントオメガ6は体に欠かせない油で、悪者ではありません。炎症の材料になるのは事実ですが、オメガ6を摂ったから炎症が起きる、という単純な話でもありません。大切なのは、油を避けることではなく、種類と量、食事全体のバランスを整えることです。

油というと、太る、体に悪い、というイメージを持つ方が多いかもしれません。でも、油は細胞をつくり、体を動かし、体の反応を調節するために必要な栄養素です。

この記事では、よく話題になる「オメガ6と炎症」の関係を中心に、オメガ3・9との違いと、毎日の食事での考え方をお伝えします。

オメガ6とは?

オメガ6は、体の中で作れないため、食事から摂る必要がある油(必須脂肪酸)です。

代表は「リノール酸」で、大豆油、コーン油、ごま油などの植物油に多く含まれます。揚げ物、お菓子、加工食品にも使われているため、意識しなくても、毎日の食事でしっかり摂れている人がほとんどです。

  • 細胞を包む膜の材料になる
  • 皮膚のうるおいを守る
  • 体の反応を調節する物質の材料になる

不足させてはいけない油なので、オメガ6を「ゼロにする」必要はありません。

オメガ3・6・9の違い

オメガ3・6・9は、どれも体に必要な油です。違いは、体の中での役割です。

オメガ3オメガ6オメガ9
主な食品青魚、えごま油、亜麻仁油大豆油、コーン油、ごま油オリーブオイル、菜種油、アボカド
体の中で作れる?作れない(食事から摂る)作れない(食事から摂る)作れる
炎症との関わり炎症を落ち着かせる材料になる炎症を起こす材料になる炎症の材料にはなりにくい

オメガ9の代表は「オレイン酸」です。バターや肉の脂(飽和脂肪酸)の代わりにオリーブオイルなどを使うと、悪玉コレステロール(LDL)を下げる方向に働きます。

なぜオメガ6は「炎症」と言われるの?

オメガ6の一部が、炎症を起こす物質の材料に変わるからです。

食事から摂ったオメガ6の一部は、体の中で別の油に変わり、細胞を包む膜に蓄えられます。ケガや刺激があると、その油が使われて、痛み・腫れ・熱などの反応を起こす物質に変わります。

このため「オメガ6は炎症のもと」と言われてきました。ただし、この物質には、炎症を落ち着かせる働きを持つものもあります。オメガ6は、炎症を起こすだけの油ではありません。

炎症は悪者ではありません

炎症は、体を守って治すために必要な反応です。

転んで膝をすりむくと、傷口が赤くなって腫れ、熱を持ちます。これは、体が傷を修復しようとしている反応です。炎症がなければ、ケガは治りません。

問題になるのは、炎症が必要以上に強くなったり、だらだらと長く続いたりすることです。その原因は、油だけではありません。肥満、喫煙、睡眠不足、運動不足なども大きく関わります。

オメガ6を摂りすぎると炎症が増える?

オメガ6の量だけで、炎症が決まるわけではありません。

人を対象にした研究では、オメガ6(リノール酸)を増やしても、血液検査の炎症の数値が上がらなかったという報告があります。米国心臓協会(AHA)も、オメガ6は飽和脂肪酸より心血管のリスクが低いと示しています。

それよりも見直したいのは、油の「種類の偏り」と「全体の量」です。揚げ物、お菓子、加工食品が続くと、油の量が増えるうえに、魚から摂れるオメガ3が不足しやすくなります。この偏りが、炎症を起こしやすい体の状態につながります。

施術現場から
お話を伺うと、朝はパンにマーガリン、おやつにチョコレート、食事は加工食品が多く、食後にもちょっとお菓子を食べる、という方が少なくありません。気づかないうちに、思った以上の脂質を摂っていることが多いです。
ただ、油だけを見ることはしません。睡眠、運動、お通じ、体の冷え、疲れ方など、生活全体を一緒に確認します。姿勢や体の動き、呼吸、骨盤、足の状態なども確認します。食事は体の状態を左右する要素の一つですが、それだけで決まるわけではないためです。

炎症を落ち着かせる側の油:オメガ3

オメガ3は、炎症を落ち着かせる材料になる油です。

代表は、サバ、イワシ、サンマなどの青魚に含まれるEPAとDHAです。オメガ3は、炎症が起きたあとに、きちんと落ち着かせるための物質の材料になります。

炎症は、起こすだけでなく、収めることも大切です。オメガ6とオメガ3は、体の中で同じ仕組みを使うため、魚をあまり食べない食生活だと、バランスが偏りやすくなります。オメガ6を減らすより、まずオメガ3を足すほうが、取り組みやすい方法です。

ストレスと炎症、油の関係

炎症は、油だけでなく、ストレスに対応するホルモンの働きとも関わっています。

「コルチゾール」は、副腎から出るホルモンで、ストレスに対応し、血糖を保ち、炎症を抑える働きを持ちます。コルチゾールの材料になるのは、コレステロール(これも油の仲間)です。オメガ6から直接作られるわけではありません。

つまり、体の炎症は、油、免疫の細胞、ホルモンが互いに関わりながら調節されています。だから、油だけを変えて解決しようとするのではなく、睡眠やストレスも含めて整えることが大切です。

油は体を動かすエネルギーにもなる

油は、炎症の材料になるだけでなく、体を動かすエネルギー源です。

油は1gあたり約9kcalと、糖質やたんぱく質(約4kcal)の2倍以上のエネルギーを持っています。筋肉を動かす、体温を保つ、細胞が働くといった、生きるための活動を支えています。

だから、油を極端に減らすのはおすすめしません。疲れやすさ、肌の乾燥、冷えなど、体のさまざまな不調につながることがあります。

今日からできる油の摂り方

オメガ6を避けるのではなく、揚げ物や加工食品の頻度を減らし、魚を足しましょう。

① 魚を3日に1回、できれば2日に1回食べる

サバ、イワシ、サンマ、鮭など、青魚や魚料理を取り入れましょう。まずは3日に1回、続けられそうなら2日に1回のペースが目安です。これが一番の近道です。

② 炒め物はオリーブオイルや菜種油を使う

オメガ9を多く含む油で、日常使いに向いています。えごま油や亜麻仁油は熱に弱いため、加熱せずにそのままかけて使い、冷蔵庫で保存しましょう。

③ 揚げ物とお菓子の頻度を見直す

ゼロにする必要はありません。「毎日」から「週に数回」に減らすだけでも、油の量と偏りは整います。

④ 睡眠と運動もセットで整える

炎症を長引かせないためには、油だけでなく、睡眠、運動、禁煙も欠かせません。

こんな症状があるときは、医療機関への受診も検討してください
強い痛みや腫れ、発熱が続く場合や、血圧・コレステロールなどで通院・服薬中の方が食事を大きく変えようとしている場合は、先に医療機関や主治医に確認することをおすすめします。これらに当てはまらない場合は、LaLa鍼灸サロンでもお気軽にご相談ください。

こんな方は、油の摂り方を見直してみましょう

「油は悪者」と決めつけず、今の食事を振り返るところから始めましょう。

見直しのきっかけになりやすい方

  • 揚げ物や菓子類、加工食品が多い方
  • 魚をあまり食べない方
  • 「油は控えたほうがいい」と思い込んでいる方
  • 疲れやすさや肌の乾燥など、体の変化が気になる方

先に医療機関も確認したい方

  • 強い痛みや腫れ、発熱が続く方
  • 血圧・コレステロールなどで通院・服薬中の方
  • 持病があり、食事の変更に不安がある方

よくある質問

オメガ6は控えたほうがいいですか?

極端に控える必要はありません。 まずは、揚げ物や加工食品の頻度を減らし、魚を足してオメガ3を摂ることから始めてください。オメガ6は体に必要な油なので、ゼロにする必要はありません。

サラダ油は使わないほうがいいですか?

使ってかまいません。 ただ、毎日の炒め物はオリーブオイルや菜種油に変える、揚げ物の回数を減らすなど、使う量と頻度を見直すと、バランスが整いやすくなります。

オメガ3はどのくらい摂ればいいですか?

まずは、3日に1回、魚料理を取り入れてみてください。 続けられそうなら、2日に1回のペースを目指しましょう。必要な量は、年齢や食生活によって異なります。持病や服薬がある方は、主治医にご相談ください。

油を変えれば、炎症は治まりますか?

油は大切な要素の一つですが、それだけでは決まりません。 睡眠、運動、喫煙、体脂肪も大きく関わります。気になる症状が続くときは、医療機関でも確認してください。

まとめ

  • オメガ6は体に必要な油で、控える必要はありません
  • 炎症の材料にはなりますが、量だけで炎症が決まるわけではありません
  • 魚を足してオメガ3を摂り、揚げ物や加工食品の偏りを見直すのが近道です
  • 油だけでなく、睡眠・運動・ストレスも一緒に整えましょう

油は、細胞をつくり、エネルギーを生み出し、体の反応を調節するために必要なものです。「油は悪者」と決めつけず、毎日の食事で使っている油と、魚を食べる頻度を振り返ってみてください。

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