なぜ肩こりは繰り返すのか?改善しない理由|さいたま市の鍼灸師が解説

なぜ肩こりは繰り返すのか?
改善しない本当の理由|さいたま市の鍼灸師が解説
「マッサージを受けたその日は楽になるけど、翌朝にはもう肩が張っている」―そんな経験、ありませんか?
実は、肩こりが繰り返す原因は肩そのものにはないことがほとんどです。肩の痛みは”氷山の一角”。水面下に隠れた根本の原因を解決しない限り、症状は必ず繰り返します。
肩こりが「繰り返す」4つの根本原因
肩こりが慢性化してしまう原因は、大きく4つに分けることができます。これらはひとつひとつが独立しているのではなく、互いに影響し合いながら悪循環を作り出しています。
① 全身をつなぐ「筋膜」のゆがみ
体の中には、筋肉をすべてひとつながりにしている薄い膜があります。これを「筋膜(きんまく)」といいます。スーツの裏地をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません――裾を引っ張ると、肩のあたりまで引きつれてくる、あの感覚です。
筋膜はつながっているので、ふくらはぎや腰の緊張が、筋膜を通じてじわじわと肩を引っ張ることがあります。「肩だけを揉んでも治らない」のは、引っ張っている大元の場所をほぐしていないからなのです。
フロントライン:前面のライン。長時間のスマホ・PC作業で胸が縮こまり、肩が前に巻き込まれます(巻き肩)。
スパイラルライン:ねじれのライン。骨盤のゆがみが肩甲骨の動きを制限し、肩への負担を増やします。
② スマホ・デスクワークによる「姿勢の崩れ」
人の頭の重さは、約5kg。ボウリングの球とほぼ同じです。理想的な姿勢では背骨のS字カーブがこの重さをうまく分散してくれますが、うつむいた姿勢や巻き肩になると、その重さがダイレクトに首・肩にのしかかります。
姿勢が崩れると、本来は「体を支える役割」を持つ深い層の筋肉(インナーマッスル)が上手く働けない状態になります。その代わりに、表面の筋肉が24時間休みなく働き続けることになり、これが慢性的な「こり」の正体です。
③ 血流の詰まりと「こりの悪循環」
筋肉が長時間緊張したままになると、その部分への血流が悪くなります。血流が悪くなると酸素が届かなくなり、「痛みを起こすサイン物質」が放出されます。この物質は新しい血管をつくろうとするのですが、それが逆に「痛みに敏感な血管」を増やしてしまうことも。
筋肉が縮む → 酸素が届かなくなる → 痛みのサインが出る → さらに緊張する…という負のループが、「揉んでもすぐ戻る」状態を作り出しています。
④ 姿勢の崩れが引き起こす「自律神経の乱れ」
猫背や巻き肩になると、胸郭(きょうかく=肺が入っている胸のスペース)が狭くなり、呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなると、体は常に「緊張モード(交感神経優位)」のままになります。
本来、夜になると体はリラックスモード(副交感神経)に切り替わります。しかし姿勢不良で呼吸が浅いままだと、夜もずっと緊張モードが続き、睡眠の質が落ちて回復できません。「寝ても肩がこっている」という方は、このパターンが多いです。
4つの原因が「悪循環」を作り出す
怖いのは、この4つの原因が互いに連鎖して、どんどん悪化していくことです。
実は「美容」にも影響している
肩こりと美容は一見関係なさそうですが、実はとても深くつながっています。
- 顔のたるみ:首回りの筋肉が過度に緊張すると、下顎や首の組織を下に引っ張ります。フェイスラインがもたつく原因のひとつです。
- 顔のむくみ:肩・首のこりでリンパや血流が滞ると、余分な水分が顔に溜まりやすくなります。「朝、顔がぱんぱん」という方は要注意。
- くすみ・顔色の悪さ:全身の血行が悪くなると、顔色がくすんで見え、若々しさが失われていきます。
今日から始められる「根本改善」のヒント
専門家に頼ることが一番の近道ですが、日常生活の中でできることもあります。3つのステップを順番に意識してみてください。
筋膜の「詰まり」をゆるめる
肩だけでなく、胸(大胸筋)や背中の筋膜をほぐすことが大切です。ストレッチポールや硬式テニスボールを使って、胸や背中を軽く圧迫しながらゆっくり動かすと、筋膜がほぐれやすくなります。
サボっている「深層筋」を呼び覚ます
お腹や背中の深い層の筋肉(インナーマッスル)を動かすことで、肩への負担を減らせます。仰向けで膝を立て、おへそを床に向かってゆっくり引き込む「ドローイン」が簡単でおすすめです。
1分間の「胸を開く呼吸」で自律神経をリセット
背筋を伸ばして、両手を後ろで組んで胸を開きます。その姿勢で鼻からゆっくり4秒吸って、口から8秒かけて吐きます。これだけで胸郭が広がり、呼吸が深くなります。
- スマホを見るとき、目線と同じ高さに持ち上げる習慣をつける
- 長時間座るときは、20分に1回は姿勢をリセットor体を動かす
- 湯船にゆっくり浸かる(全身の血流改善に効果的)
- 緑黄色野菜など抗酸化食品を積極的に取り入れる
まとめ
- 肩こりが繰り返すのは、「肩だけを見ているから」。痛みは氷山の一角にすぎません。
- 根本原因は①筋膜の癒着、②姿勢の崩れ、③血流障害、④自律神経の乱れ、の4つが絡み合っています。
- 肩こりは「たるみ・むくみ・くすみ」など美容にも影響します。首と顔はつながっています。
- 自宅では、筋膜をほぐす・深層筋を動かす・胸を開く呼吸の3ステップが効果的。
- 慢性化している場合は、セルフケアだけでなく専門家のアプローチが必要です。
「症状を追うのではなく、システム全体を整える」。これがLaLa鍼灸サロンが大切にしているアプローチです。長年の肩こりと向き合うことに疲れたという方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの体に合わせたケアをご提案します。

